【日本の城下町】古の息吹を感じる悠久の日本の城下町20選

【伏見】太閤豊臣秀吉が開いた酒と幕末の城下町

城下町・伏見(京都府京都市)は、大阪や近江などと陸路と水路で繋がる要衝の地であるため、太閤豊臣秀吉によって伏見城が築城されて開かれた、今も酒蔵が立ち並び、坂本龍馬ゆかりの「寺田屋」などの幕末の名所が多く残る町です。

酒蔵でお薦めのスポットとしては、「キザクラカッパカントリー」・「伏見夢百衆」・「月桂冠大倉記念館」・「伏見十石舟」・「鳥せい本店」などがあります。

「キザクラカッパカントリー」は豊富な日本酒の直営店で、華やかな香りと豊かなコクの京都麦酒を出来立てで飲める、黄桜酒場となっています。他に、黄桜の歴史がわかる「黄桜記念館」や、黄桜の商品を多数取り揃えた販売所もあります。

「黄桜記念館」には、酒造りに使用される用具の展示され、昭和30年代から放送されている黄桜のCMも見ることができ、とても懐かしく思われる時間を体感できます。

近くには幕末の日本開国の最大の英雄とも言える坂本龍馬ゆかりの「寺田屋」があり、薩長との連絡に奔走した龍馬の姿や、妻お龍との出会いの場所として、そして寺田屋騒動の地として、往時を偲び感傷に浸れるのです。

「伏見夢百衆」は、月桂冠の旧本社を改装したものです。伏見の清酒・京都の有名和菓子・和雑貨などのお土産が買える他、カフェも併設されていて、観光客がちょっと一休みしたい時に重宝するスポットです。

「月桂冠大倉記念館」では、京都市有形民俗文化財に指定された古の酒造用具類を展示し、「月桂冠」が創業された時からの歴史資料や職人によって歌い継がれてきた酒造り唄によって、かつての酒蔵の雰囲気を再現しています。

もちろん、館内を見学した後には、吟醸酒などの利き酒が楽しめるようになっていて、限定の日本酒・奈良漬け・酒まんじゅう・季節限定の酒粕・オリジナルグッズなどのお土産品も購入することができます。

「伏見十石舟」は、宇治川派流の濠川で運航している遊覧船です。55分ほどの遊覧をすると、酒蔵の建ち並ぶ伏見の町並みと自然を楽しむことができ、水運の要衝として栄えた古の昔を体感できるのです。

「鳥せい本店」は「神聖」の大正時代の酒蔵の一棟を改装して造られた、鳥料理の専門店です。1階の広いフロア中央にはタンクから直接生の原酒をコップに注げるようになっていて、地元の人や観光客で大変賑わっています。

敷地内には、清酒「神聖」の仕込み水に使用される「伏見七名水」のひとつ「白菊水」が湧き出ていて、ペットボトルなどで持ち帰ることもできます。

焼き鳥メニューは12種、季節限定メニューの他、料理長おすすめの「ぶつ切り山賊焼き」・「皮のバラ焼き」・「甘辛なんこつ」・「とりの黒酢あんかけ」・「九条葱と鶏ホルモン焼」、たくさんの一品料理などを堪能できます。

幕末に関するスポットには寺田屋の他に、「伏見奉行所跡」・「鳥羽伏見の戦い弾痕」・「会津藩駐屯地跡」・「坂本竜馬避難の木材小屋跡」・薩摩藩の本営となった「御香宮神社」などがあります。

伏見城へはJR桃山駅から徒歩15分で行けます。再建造物として模擬天守があり、移築門・石垣・水堀・土橋・天守台が遺構として残されています。

築城したのは豊臣秀吉で、徳川家康が主に改修しました。豊臣期には伏見指月にあったのですが、「慶長伏見地震」で倒壊したため木幡山に再築され、関ヶ原の戦いの前哨戦である「伏見城の戦い」で焼失したものを、徳川期に再建されたのです。

この城の時代区分は5つに分かれ、秀吉の隠居屋敷の造営→秀吉の指月の丘と向島築城→秀吉の木幡山築城→家康の再築→徳川秀忠・家光の改修・破却となっています。