【日本の城下町】古の息吹を感じる悠久の日本の城下町20選

【尾道】古都の風情香る坂の街・猫の街・「瀬戸内の小京都」

城下町・尾道(広島県尾道市)は、実は過去に城を持ったことはなく厳密に言えば城下町ではありません。しかし、古都の風情香る坂の街・猫の街・「瀬戸内の小京都」として人気の観光地となっている町です。

この町の最寄駅・尾道駅に降り立って駅舎の前に出てその後方の山の上を見ると、これぞお城というような建物があります。これは「千光寺公園」にある天守閣風の建物で「尾道城」と呼ばれてはいますが、まったく歴史的なものではありません。

「尾道城」は昭和39年(1964年)に建てられ、現在は閉鎖されている城の博物館です。戦国時代末期にはこの付近に杉原氏の「千光寺山城」があったと言いますが、その城も築城途中で放棄されたそうです。

嘉応元年(1169年)、尾道村が備後(広島県東半分)大田庄(世羅町)の倉敷地(領地の年貢を一時保管する場所)に指定されたところから、この町の発展が始ります。江戸時代には、北西部が広島藩、東部が福山藩に属していました。

年貢米の積み出し港として栄え始めた尾道は、北海道から大阪を結んだ大型船「北前船」の寄港もあって大繁栄し、多くの富裕者を生み出します。これらの豪商と呼ばれる人々によって町の整備やお寺の建立に財が注ぎ込まれ、現在の町並みができ上がってきたのです。

「一般社団法人尾道観光協会」のサイトには、たくさんのモデルコースが紹介されています。城下町・小京都的なものとしては、「尾道横歩き散策路」・「尾道にかくれる猫を探して歩く散歩道」・「ゆったり散策」・「ぐるっとおのみち360」・「七佛めぐり」などです。

「尾道横歩き散策路」は、「二階井戸」→「持光寺」→「光明寺」→「一宮神社」→「宝土寺」→「千光寺新道」→「文学記念室」→「天寧寺」→「尾道ええもんや」→「住吉神社」→「北前亭」→「からさわ」というコースです。坂の多い尾道の町並みの中でも、緩やかに歩けるポイントが選ばれています。

「尾道にかくれる猫を探して歩く散歩道」は、「山手地区」→「千光寺新道」→「猫の細道」→「招き猫美術館in尾道」→「今川玉香園茶舗」→「向酒店・尾道市労働センター」→「北前亭」→「おのみち海辺の美術館」→というコースです。ショップのマークやオリジナルのキャラクター、時には本物の猫にも逢える猫の町です。

「ゆったり散策」は、「持光寺」→「文学の館3館巡り」→「招き猫美術館」→「ロープウェイ」→「千光寺公園・千光寺」→「おのみち映画資料館・おのみち歴史博物館」→「浄土寺」というコースです。坂と寺の町・尾道を堪能できます。

「ぐるっとおのみち360」は、「鳴滝山展望台」→「浄土寺山展望台」→「向島・高見山」→「因島・白滝山」→「千光寺公園山頂展望台」というコースです。尾道を様々な角度から見渡せます。

「七佛めぐり」は、「持光寺」→「天寧寺」→「千光寺」→「大山寺」→「西国寺」→「浄土寺」→「海龍寺」というコースです。巡った古寺のご朱印やブレス念珠を全て集めると記念品が貰えます。

他にも、瀬戸内を巡るサイクリングコースが色々あり、「しまなみサイズのバイクでGO!」・「パワースポット巡りサイクリング」・「プチグルメサイクリング」などもあります。