【日本の城下町】古の息吹を感じる悠久の日本の城下町20選

【松山】温泉と現存大天守と文学の文化的魅力が豊富な城下町

城下町・松山(愛媛県松山市)は、日本最古と言われる道後温泉と、全国的にも貴重とされる現存大天守を持つ「松山城」、そして「文学のまち」としての文化的魅力が豊富な町です。

「松山城」は各地にある同名の城と区別するため、旧国名を付けて「伊予松山城」と呼ばれることもありますが、概ね「松山城」と言えばこの町の城のことを意味しています。城跡の主要部分は公園として整備され、現存12天守のひとつのだ大天守を含む21棟の現存建造物が国の重要文化財となっているのです。

市の中心部にある勝山の山頂に本丸があることから別名を「勝山城」とも言い、西南麓に二の丸・三の丸を持つ平山城です。大天守の構造は「姫路城」と同じ連立式で、日本三大連立式平山城であり日本三大平山城にも数えられています。

慶長7年(1602年)、関ヶ原の戦いで戦功のあった加藤嘉明が、10万石に20万石を加増されて築城に着手しました。翌年には、嘉明がこの地を「松山」と呼ぶこととし、それが公式の地名になります。

寛永4年(1627年)になって、嘉明の会津藩転封によって、蒲生忠知が24万石で松山藩主となります。寛永11年(1634年)に蒲生家が断絶すると、その翌年には松平定行が15万石で藩主の座につき、松山城を居城とします。

この松平氏による松山藩15万石は明治時代になるまで14代続き、四国隋一の城下町へと発展させたのでした。町並みに睨みを利かす大天守に守られて、瀬戸内海に面した利便性に富んだこの地は、現在では「いで湯と城と文学のまち」のキャッチフレーズで観光都市として賑わっているのです。

「松山市公式観光WEBサイト」には、6つの楽しみ方が紹介されています。それは、「道後で癒しの時間を過ごす」・「城下町を散策する」・「文化を知り、まちを知る」・「絶品グルメに舌鼓」・「自然の中で思い切り遊ぶ」・「瀬戸内・松山ぐるっとめぐり」という楽しみ方です。

「道後で癒しの時間を過ごす」は、古事記や日本書紀にも登場する日本最古とも言われる「道後温泉」を満喫する楽しみ方です。「道後温泉本館」・「道後温泉別館 飛鳥乃湯泉」・「道後温泉 椿の湯」の3つの外湯を巡り、商店街ではショッピングとグルメを堪能し、注目度上昇中の「アート」を鑑賞するのも良いでしょう。

「城下町を散策する」は、町の真ん中に残る城とその周囲に広がる古今共存の城下の古を偲びながら楽しむものです。松山の歴史を体感するにはまずは「松山城」へ、そしてその天守から瀬戸内海と四国山脈を一望し、春は桜・夏は光のオブジェ・2月上旬から中旬は梅の花と四季折々の楽しみ方があります。

城への登城方法にもいくつかのルートがあって、歩いて登れば自然を感じる事ができ、一人乗りのリフトや46人乗りのロープウェイを利用すれば空中散歩が楽しめます。また、昼に登れば城下を眺めることができ、夕暮れになると瀬戸内の島々の間に沈む夕日を慈しみ、夜は夜で観光客の人気を集める夜景が見事です。

「文化を知り、まちを知る」は、正岡子規が生まれ、夏目漱石が暮らした、多くの文人や作品にゆかりのある「文学のまち」を楽しむものです。「松山市立子規記念博物館」・「坂の上の雲ミュージアム」・「伊丹十三記念館」などの個性的な博物館と、「坊ちゃん列車」や伊予紐・竹細工などの伝統工芸品で歴史文化を感じましょう。