【日本の城下町】古の息吹を感じる悠久の日本の城下町20選

【金沢】戦災に耐えた武家屋敷のある加賀百万石の城下町

城下町・金沢(石川県金沢市)は、第2次世界大戦の空襲を免れて戦災に耐えた「長町武家屋敷」を始め、日本3庭園の一つである「兼六園」、茶屋街や金箔・加賀友禅などの伝統工芸品なども女性に人気の観光ができる前田家の加賀百万石の町となっています。

「長町武家屋敷」の観光は、金沢の観光地として有名な「近江町市場」と合わせて巡るのがお薦めです。バスと徒歩でおよそ3時間ほどかかるコースとなります。

市場では旬の海鮮丼を堪能し、徒歩7分の所にある「尾山神社」のギヤマンが映える見事な美しさを誇る神門を見て、そこから徒歩3分の長町武家屋敷跡へと向かいましょう。

そこは、昔ながらの土塀や石畳の小路が残され、伝統環境保存区域及び景観地区に指定されているのです。冬には土塀を雪と凍結から守るためにこも掛けが行われ、それもまたどこか懐かしい趣きを演出しています。

また、このあたりから繁華街の香林坊に抜ける「鞍月用水沿い」には、割烹・郷土料理店・カフェなどが林立し、街に賑わいを生み出しているのです。武家屋敷の土塀を背に流れる「大野庄用水」は犀川を水源として、古の昔の風情を今に伝えています。

少し学術的な興味がある人は、藩政時代の足軽屋敷を移築して再現した「金沢市足軽資料館」を見学してみるのも良いでしょう。更に、武士の暮らしぶりを感じられる「旧加賀藩士高田家跡」・ボランティアガイドのいる「長町武家屋敷休憩館」・日本庭園と建築美の「武家屋敷跡野村家」と巡っていけます。

「兼六園」は日本三名園として有名な国の特別名勝に指定されていて、金沢を訪れた際には絶対に外せないスポットです。四季を通じて様々な姿を見せてくれて、夜のライトアップを行なうイベントも開催されたりします。

金沢駅から車で10分ほどの所にあるので、バスを利用すると良いでしょう。最寄りのバス停からは3分ほどで歩いて行くことができます。

元々、金沢の町は一向宗の「寺内町」で一向一揆の拠点となった所ですが、そこを柴田勝家が攻略し、加賀藩として前田利家が入城してから、前田氏14代によって統治され、加賀百万石の町として発展してきました。金沢城を築城したのは織田信長・秀信に仕えた佐久間盛政で、初代の城主となっています。

現在の金沢城のあった一帯は「金沢城公園」として整備され、再建造物として菱櫓・橋詰門・橋詰門続櫓・五十間長屋があり、長屋・門・石垣・土塁・堀・移築能舞台が遺構として残っています。

菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓は入館料がありますが、65才以上は無料、基本的に園内は無料で入ることができます。金沢駅→ひがし茶屋街→兼六園→金沢城公園・玉泉院丸庭園→金沢21世紀美術館→長町武家屋敷跡界隈→近江町市場と8時間かけて回るのが王道のコースです。

また、にし茶屋街→寺町寺院群→妙立寺→谷口吉郎・吉生記念金沢建築館→鈴木大拙館→美術の小径・緑の小径→中村記念美術館と5時間で回り、歴史と現代を感じるコースもお薦めとなっています。

この他、「石川護国神社」・「大野湊神社」・「石浦神社」・「主計町茶屋街」・「卯辰山公園」などが見どころで、浴衣レンタル・金沢芸妓の本物の芸にふれる体験・金箔貼り体験・加賀友禅着用体験もお薦めです。

訪ねたい城下町としてこの金沢を挙げる歴女によれば、現代アートに興味が無くても楽しめる「金沢21世紀美術館」、カニや甘エビなどがお土産に最適な「近江町市場」、お湯で具材がふわっと広がって綺麗な「加賀麩」がイチオシなのです。